「ドナウの旅人(上・下)」

おすすめ

<書名> ドナウの旅人(上・下)
<著者> 宮本輝
<出版社> 新潮社

コメント

高校・大学の頃、宮本輝と五木寛之の小説にハマっていました。
ヨーロッパに憧れ(特に東ヨーロッパ)を持つようになったのはこの二人の作家の影響です。

ドナウ川に沿って旅するために家出した母・絹子と17歳年下の愛人・長瀬道雄。母を追う娘・麻沙子とかつての恋人シギィ。
この四人がドイツからルーマニアまでをドナウ川に沿って旅する物語。

上・下巻の長―い小説ですが、読んでいる間は、四人と一緒に旅しているような気分になり、結末を早く知りたい気持ちとこの旅が終わってほしくない、読み終えたくないという相反する気持ちが沸き起こってきます。

ちなみに、この小説を読み、自分の目でドナウ川を見たいと思い、大学3年のときに一人で1カ月半かけて一人旅をしてしまいました。
当時はスマホなど無かったので、「地球の歩き方」とトーマス・クックの時刻表が頼りのはじめての海外旅行でした。

フランクフルト、ドナウエッシンゲン、レーゲンスブルク、ウイーンなど物語に出て来る街を訪れましたが、もっともよかったのは「ドナウの真珠」ブダペストです。居心地が良すぎて1週間も滞在してしまいました。

かっこつけてドナウ川を眺めながら、新潮文庫版の本書を読んだりもしました。宮本輝さんの長編小説は傑作ばかりですが、個人的な思い入れという点ではこの小説
が圧倒的です。

当店には、新潮社の単行本が置いてありますので、ぜひ読んでください。きっと旅したくなりますよ!